障害者ゴルフの歴史(世界から日本へ・日本から世界へ)
日本における障害者ゴルフの歴史はまだ新しいですが、世界では20世紀初頭にすでに障害者ゴルファーの活動が始まっていました。
第1次世界大戦(1914~1918)が終わってからイギリスで主に上半身に障害のある人びと(切断など)がゴルフを始めました。腕の切断者のゴルフ団体として現在も活動を続けている「One Arm Society」はこの頃に活動を始めたと聞きました。
ただ、ゴルフ場では主流が「歩き」のゴルフだったため、下肢障害者にはゴルフは敷居の高い存在だったようです。
下肢障害者がさかんにゴルフを始めるようになったのは第二次世界大戦以降です。アメリカで乗用カートの開発が進み、多くのゴルフ場がカートを導入しました。そこで初めて下肢障害者にもゴルフのチャンスができて、瞬く間にアメリカにおいて障害者のゴルフが盛んになりました。(ここまではイギリスの障害者ゴルフ団体代表だったジョン・バーン氏に話を聞きました)

来日した折のジョン・バーン氏(右)
現在、DGA(日本障害者ゴルフ協会)と友好関係にあるアメリカのNAGA(National Amputee Golf Association)は1954年の設立。第二次世界大戦で下腿を切断したデール・ブリソーが12人の同じような障害者と励まし合ってゴルフを始め、さらに仲間を集おうとしたのが設立のきっかけでした。
その後、NAGAはベトナム戦争等を経て傷痍軍人を中心に組織を広げ、現在では全米に2000人、海外にも200人のメンバーがいます。
NAGAチャンピオンシップで
このNAGAが主催するNational Amputee Golf Championshipは優勝スコアがアンダーの年もあるレベルの高い試合で、世界の優秀な切断者ゴルファーが参加。事実上の最強の世界選手権と言われています。
いっぽうでヨーロッパでは各国で独自の障害者ゴルフ団体が活動を続けていました。しかし、相互の行き来も多い地域であり、出場資格やルールを統一しようという動きから、1998年に6ヶ国の障害者ゴルフ団体が協議してEDGA(ヨーロッパ障害者ゴルフ連盟)を創立しました。

現在、EDGAには15ヶ国が加盟。年一回のヨーロッパ選手権を始めとして、各国で活動が行われています。
NAGA、EDGA共に日本障害者ゴルフ協会(DGA)とは情報交換や交流を続けています。毎年のNAGAチャンピオンシップにはDGAから代表選手が出場していますし、我らが最大行事である日本障害者オープンゴルフ選手権にはNAGAやEDGAの選手が参加しています。
さて、日本での障害者ゴルフへの取り組みです。日本で障害者ゴルフが普及し始めたのは、欧米に比べるとかなり後になってからです。
日本障害者ゴルフ協会(DGA)は1991年に設立されました。肢体不自由を中心にした障害者ゴルフ団体としては草分け的な存在です。
しかし、トーナメントを開催できるゴルフ場がなかったためしばらくの間、活動は滞っていました。1991年といえばちょうどバブル経済が破綻した時期にあたります。現在に比べればプレー代もとても高かったですし、前例もなく、なんだか大変そうな障害者のトーナメントに場所を提供してくれるゴルフ場などありませんでした。
DGAも初期には国立リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)の庭で練習をしたり、ショートコースでコンペを行ったりしていまた。長い冬の時代でした。
設立後5年経った1996年11月、あるきっかけから本格的なゴルフ場で試合が開催できることになりました。
1996年11月25日 第1回日本障害者オープンゴルフ選手権 於・ウイングフィールドゴルフ倶楽部(栃木県今市市)

この大会が日本障害者ゴルフ協会(DGA)の事実上の活動開始です。以後、毎年10月にこの大会が開催され、DGAは他の大会や月例会等も始め活動を広げていきました。この辺の詳しい経緯は「設立のきっかけ」という項目を参照してください。
なお、この頃始まった肢体不自由を中心にした障害者ゴルフ大会としては1993年に北海道砂川市で開催された「全道身体障害者ゴルフ大会」があり、1995年に三重県津市で「ザ・チャレンジドゴルフトーナメント」が開催されました。
1990年代が日本における障害者ゴルフの黎明期といっていいでしょう。
2000年、DGAは設立当初から佐藤成定がデザインしていた海外の障害者団体との交流を始めました。
2000年3月、佐藤代表と松田事務局長が渡米し、アメリカの障害者ゴルフ団体(NAGA、ADGA、For Allの3団体)の代表に面会。日本とアメリカの障害者ゴルフ交流試合を行いたい旨を伝えました。しかし、実質的に活動を展開していたのは50年以上の歴史を持つNAGAだけでした。そこで、DGAとNAGAは相互の試合にメンバーが参加し、交流を開始しました。
ADGAの代表・グレッグ・ジョーンズ氏、障害者用カートの会社「ソロライダー」社長・ロジャー・プレトキン氏と共に
2000年8月、カリフォルニアで開催されたNAGA ChampionshipにDGAから3名の選手が参加。さらにその年の10月の日本障害者オープンゴルフ選手権に3人の外国人選手が参加しました。
2000年、ジャパンオープンに外国人選手が初参加。ダン・コックス ゲーリー・フックス(USA)とジェフ・ニコラス(オーストラリア)
こうした相互交流の活動を毎年続けていくうち、アメリカ以外の国、オーストラリア、カナダ、イギリス、ヨーロッパ諸国の障害者ゴルフ団体とも交流が広がりました。
現在DGAは世界のすべての障害者ゴルファーの夢である「ゴルフをパラリンピック正式種目」にするための活動を世界の障害者ゴルフ団体と共に展開しています。





























































